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無理數

斯の如くにして より 及び 等,限りなき係數の引き續きを定むることを得, より小なれども,其差 より小なり,是故に の値を まで與ふるものなりとすべし.

言辭を簡約して,この結果を次の如く言ひ表はす. の冪級數に展開して,或は を基數とせる命數法にて表はし,

を得. の與へられたる上は,各の無理數は唯一の展開を有せり.

上述の展開は が無理數ならざるときにも亦適用し得べきこと勿論にして, が有理數なるとき,其展開を得べき方法,其展開の係數が竟に一定の週期を以て循環するに至るべきこと,及び特殊の有理數は有限,無限二樣の展開を有し得べきことは旣に第六章(七),(八)に於て說きたる所なり.

若し逆に,始より 等限りなき係數の引續きを與ふるとき( は盡く より小なる自然數なるべきこと勿論なり)