此等式によりて分數の相等及其乘法,除法を定むるときは(二)の諸原則の成立すべきことは旣に(三)に於て證明せる所なり.乘法の準數は 1 {\displaystyle 1} にして,乘法につきて相反せる數は卽ち所謂逆數なり.
分數相等の定義 (1) に從ふときは,一般に a c b c = a b {\displaystyle {\frac {ac}{bc}}={\frac {a}{b}}} ; 特に − a b = a − b {\displaystyle {\frac {-a}{b}}={\frac {a}{-b}}} を得.又乘法の定義 (2) より a b ⋅ b = a {\displaystyle {\frac {a}{b}}\cdot b=a} 又除法の定義より 1 : a b = b a {\displaystyle 1:{\frac {a}{b}}={\frac {b}{a}}} を得.此等の諸定理一々枚舉するの要なし.
さて分數の如法及減法の意義を定めんとせば,再び分配の法則を明ゐるべし.
より
を得.此等式は旣に減法の定義