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(一)
加法及其性質
るなり,甲,乙は一つ一つの物を表はさず,物を一括して得たる全體の名なり)此甲なる一組の物に乙なる一組の物を合同して之を第三の一組となし,之を丙と名づく.丙は 等卽ち始め甲又は乙に屬せる物を盡く含み,且此等の物の外の物を一も含まず,是故に甲に乙を合同するも又乙に甲を合同するも其結果は同一なり.
又甲,乙,丙なる三組の物あるとき,先前に言へる如くにして甲と乙とを合同し,斯くして得たる一組に更に丙を合同して一組となすときは,此最後の一組は始め甲又は乙又は丙に屬せる物をば盡く含み且此外の物は一も含まず,是故に三組の物を合同する結果は其順序に關係せず.
甲なる一組の物 其數 ,乙の物 其數 なり,甲乙を合同して作りたる丙なる一組の物の數如何.丙の物の數を數ふるに當りて之を數ふる順序は數へて得べき結果に影響を及ばすことなし.よりて前に甲に屬せし物に の順序數を配合する手數を反復するまでもな