Page:Shinshiki Sanjutsu Kogi 00.djvu/235

提供:Wikisource
このページは校正済みです
219
(八)
循環小數の起源

も,飜て相等しき は必ず相等しき より出て來れりとなすことを得ざるにあらずや.

如上の觀察は吾人を導きて次の結果に到達せしむ.

旣約分數 の分母 が展開の基數 と相素なるときは,展開の途次現出する剩餘 隨て又展關の係數 は其第一項に始まる或一定の週期を以て限りなく循環す.此循環の週期を組成せる項數 の倍數たらしむべき最小の正の整數,隨て は分母 のみによりて定まるべき,而して分子 には關係なき數なり.

と相素なるときは の倍數たらしむる如き指數 の必ず存在すべきことは,上文の辨說の中間接に證明せられたる所なり.

となすときは,上述の定理により にても又 にても整除し得べからざる整數を分母とせる分數は必ず所謂純粹なる循環小數に等しきを知るべし.