要するに同一の分母 n {\displaystyle n} に屬せる分數の大小の關係及加減の算法は,其分子のそれぞれと全く同一に歸す.分數班は其一部として凡ての整數を包括せるが故に,其範圍整數のそれよりも廣大なるの觀ありと雖,實は兩者其內容を同じくして,唯個々の數の名稱に異同あるに過ぎず.
分母 n {\displaystyle n} なる分數班の中にありて, 1 n {\displaystyle {\frac {1}{n}}} は整數の範圍內に於ける 1 {\displaystyle 1} と同樣の位置を占めたり. 1 n {\displaystyle {\frac {1}{n}}} を此分數班の單位或は幹分數といふ.
(二)
今 m = q n {\displaystyle m=qn} と置き,分母 m {\displaystyle m} に屬せる分數の中其分子が q {\displaystyle q} の倍數なるもののみを保留して,其他を排斥するときは,