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四
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整除に關する整數の性質
の一となさんに, にして若し合成數ならんには,其塡補眞約數の一對を , となすときは, は より小なるが故に , の中少とも一方は より小なり,隨て は より小なる素數(, 又は其約數)にて割り切れざるを得ず,而も に符標なきは其然らざるを示すに非ずや.
素數の數に限なきことも亦古希臘人の知れる所にしてユークリツドの證明は甚だ有名なり.
假に素數の數に限ありとせよ,凡ての素數の連乘積に を加へ
なる數を作りて考ふるに,此數若し素數ならば,是 以外仍ほ素數あるなり.又若し此數合成數なりとするも其素數因子は の中にはなし,何となれば上に揭げたる數を の何れにて割るも剩餘 を得べければなり.素數の數に限ありとの主張は保持すべからず.
(七)