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は一同打揃ひて食堂に出で或は握手をなし或は乾杯をなす等初會にして已に十年の知己の如き感ありき。

 白耳義國境に近き佛領地方に於ける戰爭の慘禍は歷々として車窓より指顧し得られたり、殊にサンカンタンの如きは最近迄獨逸大本營の置かれし處なれど昨來末の大退却の際に獨軍は市街を自ら破壞して立退きたるが故に其荒廢の狀眼も當てられず、鐵道も諸處に修繕を要する個所ありて徐行をなし爲に平時ならば巴里よりブラツセル迄四時間にて到着し得るを只今は朝七時に發して夕四時に非れば伯都に入るを得ざる始末也。

 佛白國境を越えて足一度白耳義に入れば其狀況余等の想像