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Page:Retrial decision of Hirosaki incident.pdf/4

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(用語例)

一 「原一審」―青森地方裁判所弘前支部
一 「原二審」―確定判決をした仙台高等裁判所
一 「原 審」―再審請求棄却決定をした仙台高等裁判所
一 那   須―申立人(再審請求人)那須隆
一 〔己〕  ―〔己〕こと〔己〕

第一 異議申立の趣旨および理由

 本件異議申立の趣旨および理由は、弁護人南出一雄、松坂清、青木正芳連名名義の異議申立書、異議申立理由補充書に記載のとおりであるから、これを引用する。

第二 当裁判所の判断

一 はじめに

 弁護人の所論に応え、再審における証拠の「明白性」について当裁判所の見解を示すならば、当裁判所は「無辜の救済」という基本理念を前提として、先に最高裁判所第一小法廷が昭和五〇年五月二〇日刑事訴訟法四三五条六号にいう「無罪を言い渡すべき明らかな証拠」について示された見解に賛成であるので、これを引用してその説明にかえる。即ち右にいう「明らかな証拠」とは「確定判決における事実認定につき、合理的な疑いをいだかせ、その認定を覆すに足りる蓋然性のある証拠」をいうものと解すべきであるが、