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Page:Onishihakushizenshu04.djvu/665

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而上的のものありとし、之れを本體として說明を爲さむと試むる時なり。第三期は即ちポジティヸズムの時期にして是に至りて始めて眞正の學術的時期に入ると。

コントは一切の學科を分類して數學、星學、物理學、化學、生物學及び社會學の六科となし此等を外にして別に哲學と稱すべきものなしと說けり。彼れは最も其の力を社會學の硏究に費やし、此の學の進步上多大の功績あり。彼れは社會硏究の結果として人類を以て己が硏究及び熱情の對境となせり。愛情により秩序に基づきて人類の進步を計ること是れ彼れの立てたる人類敎の要旨なり。


ヂョン、スチュアート、ミル及びハーバート、スペンサー

《ヂョン、スチュアート、ミル及びハーバート、スペンサー。》〔一〇〕今世紀に入りて英國の哲學界にはサー、ヰルリアム、ハミルトン(Sir William Hamilton 一七八七―一八五六)の如きありて蘇格蘭學派の脈絡を傳へ傍らカント哲學の思想を加味したりしが、哲學史上彼れよりも更に重要なる地位を占む