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るゝことによりて起こる。相對峙するもの無くば凡べては唯だ單一なる
ベーメは詳しく神の自らを世界に現はすはたらきを說かむと試みたり。彼れは世界の創造を七段階に分かち、委細に酸の收縮作用及び甘の伸張作用によりて萬象の生する最初の段階より漸次に進みて感覺及び知識作用の生出するに至るまでを說けり。彼れは更に地上の歷史を叙して人間の靈の墮落することより其が再び神に還り彼れに和合するに至る次第を詳說せり。此等はベーメが其の神祕說に雜ふるに自然界の神智學的見解を以てせしものなり。彼れは凡べて豫言者風の語氣を以て其の思想を述べ、其の說く所の言語は頗る晦澁なれとも神祕說に特