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を超絕せる神が如何にして能く萬物の淵源となり得べき乎。フィローンは之れを說かむが爲めに神と萬物との中間に在りて媒介を爲すものをおけり。
《ロゴス論。》〔九〕フィローンは此の媒介者を名づけて勢力(δυνάμεις)といへり。此等の勢力が神に對する關係に就きては彼れの說く所明瞭ならざれども、要するに其の思想はストア學派の說及びプラトーンのイデア論に由來せり。彼れは此等の勢力を名づけて神の觀念即ちイデアとも云ひまた神の
此のロゴス(即ち神と世界との間に介するもの)論はフィローンの說に於いて最も注