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花󠄁を持てる少女に


花󠄁をもて

その頰をうちつつ

念ひなくゆく

少女よ

たまたま

ちまたに出できたる

草臥れしわれの

うれしきもの

見たるかな

少女よ いましは

人にして世を美しう

 せるもの

花󠄁は 植物にして

世に榮あらしむるもの

よに美しきもの

ふたつ とり揃へ

あはれめでたき

眺めかな

少女よ

こころなく路傍に

花󠄁をな棄てそ

少女よ いましもよ

人の世の路上に

棄てらるゝなかれ

われ草臥れて世に

ながらふるはあさましけれ、

たまたま

かゝるめでたきもの

見しうれしさに

えたふべからず