そのひとみを吹(ふ)けり
風(かぜ)はいづちより
來(く)るかと見れば
菜󠄁(な)の花󠄁畑(ばた)のはるかより
吹(ふ)き來るなり
今はわがすあしを吹(ふ)き
ふところにふき
うつろなる心にふき
さらにさらにさびしや
蜻蛉
いつたり來たりしてるうちに
君は遂󠄂に間違󠄁(ちが)へてしまつた
僕(ぼく)とその隣(となり)に立つてる
麥(むぎ)稈(わら)の束(たば)と
で君は失禮(しつれい)ともいはないで
僕(ぼく)の肩󠄁(かた)にとまつてしまつた