直毘靈【此篇は、道といふことの論ひなり。】
皇大御國は、掛まくも可畏き神御祖天照大御神の、御生坐る大御國にして、
萬ノ國に勝れたる所由は、先ヅこゝにいちじるし。國といふ國に、此ノ大御神の大御德かゞふらぬ國なし。
大御神、大御手に天つ璽を捧持して、
御代御代に御しるしと傳はり來つる、三種の神寶は是ぞ。
萬千秋の長秋に、吾御子のしろしめさむ國なりと、ことよさし賜へりしまに〳〵、
天津日嗣高御座の、天地の共動かぬことは、旣くこゝに定まりつ。
天雲のむかぶすかぎり、谷蟆のさわたるきはみ、皇御孫命の大御食國とさだまりて、天下にはあらぶる神もなく、まつろはぬ人もなく、
いく萬代を經とも、誰しの奴か、大皇に背き奉む。あなかしこ、御代御代の間に、たま〳〵も不伏惡穢奴もあれば、神代の古事のまに〳〵、大御稜威をかゞやかして、たちまちにう