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Page:NDL992519 千島アイヌ part1.pdf/11

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すゞらんの花にやどるか島人の
かほりとゞめて露と消え行く。

鳥居きみ子


緖言

本書は余が去る明治三十二年、東京帝國大學の命を奉じ、北千島に渡航し、人類學的調査をなしたる、其結果論文とも云ふべきものなり。

この書を別て二册とせり、本篇には主として目錄の中にあるが如き事項を記し、他日出版せんとする次篇には左の項目に就て記する所あらんとす、この二册にて本書は全く完結するものとす

  1. (一)千島アイヌの神話、口碑
  2. (二)千島アイヌの宗敎、妄信、昔話
  3. (三)千島アイヌの衣食住、其他の土俗
  4. (四)千島アイヌの殘せし古物、遺跡
    竪穴、貝塚、土石器包含層、石器、土器、骨器
  5. (五)千島アイヌの殘せし石器時代の遺物と南千島及び北海道の石器時代遺物と