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 皇帝の輔弼機關としては國務總理大臣の外參議府があります。參議府は日本憲法に於ける樞密顧問に比敵し皇帝の諮詢を承けて其の意見を上奏する顧問機關でありますが、兼ねて重要なる國務に就き意見を上奏する輔弼機關でもあるのであります。

 然し參議府は自己の行爲に付き責任を負ふ事はありません、且つ其の諮詢さるる事項の如きも法律勅令豫算等の外帝室令或は宮廷府關係の重要なる人事にも及び、國務、宮廷務の兩者に亘る皇帝の諮詢に應ずる顧問機關となつて居ります。

(ハ)立法院、國務院、法院及監察院

 次に立法院、國務院、法院、監察院等の諸機關に付き簡單に申上げます。

 立法院は、皇帝の立法行爲に翼贊する立法機關でありまして法律案豫算案及び豫算外國庫の負擔となるべき契約を審議する權能外、政府に對する建議權、請願受理の權等をも持つて居りますが、其の組織は法律に依つて定まる事となつており其の法律は未だ制定されて居りませんので立法院は實質上未だ成立しては居らない譯であります。

 國務院は皇帝の委任に依り國家の行政を掌理する行政官廳であります。

 國務院は民政、外交、軍政、財政、實業、交通、司法及び文敎の八部から成り、そして此處に國務