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惜しくて、心ゆかずながらまゐりぬ。いつしかと待ちおはするにかくたどたどしくかへり來たれば、すさまじくなかなかなりと、おぼすことさまざまにて、人のかくしすゑたるにやあらむと、我が御心の思ひよらぬくまなくおとしおき給へりしならひにとぞ。

源氏物語