と云ふのは、水の行末と文字に書く、水は何萬何千里行くか判らない、詰り長く世の中に居ると云ふ事だ 熊「其奴は芽出度エ、幾ら根の宜い奴だつて、水の行末や砂利の勘定は出來ません 隱「何うだイ是が宜らう 熊「何うでせうモー少し芽出度エのはありませんか 隱「夫では何うだイ、風來末と云ふのは 熊「何です夫は 隱「風の行末は判らないと云ふ事だ 熊「成程モツと長エ奴はありませんか 隱「クネル處にスム處とは何うだ 熊「何でげすエ夫は 隱「海にある藻が水のまに〳〵くね〳〵して居る數は何の位ゐあるか判らない、又スム處とは正月の飾りにする、アノトコロで、代々此の處に住みたい抔と云つてアレを飾にする、芽出度ものだ 熊「成程、何か外にありませんかイ 隱「夫ではヤーブラ柑子のブラ柑子是は何うだ 熊「何う云ふ譯なんで 隱「藪柑子は葉は落ても實は落ぬもの、夫でブラ〳〵して居て中々落ない、芽出度ものだ 夫でヤーブラ柑子のブラ柑子と云ふ、熊「モー些と芽出度エのはありませんか 隱「夫では何うだ、パイポ〳〵パイポのシユーリンガン、シユーリンガン