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Page:Kokkaron1905.djvu/71

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行動を偏せしむる事あり。何れにせよ、皆個人の精神に影響する大なりと謂つべし。社會的行動は即ち衣食なり、交通なり、百工技藝を行ふなり、讀書なり、硏究なり、皆然らざるなし。之れ等が個人精神に影響するの大なる何人も認めざるなし。然らば則ち個人の精神は國家的行動に於て將た又社會的行動に於て影響せられつゝある者と謂はざるべからず。

個人精神の變動は此くして起らざるを得ざるなり。即ち其精神的構造が變動しつゝあるなり。即ち諸般の感情も變動しつゝあるなり。或る事柄に對する感情も亦變動しつゝあるなり。例へば結婚に對する古