Page:Kokkaron1905.djvu/69

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にして現行の法律にあらず。活字の法律は六法全書の灰滅せらるゝと共に灰滅すべし。

現行の法律は人の精神中に存するものなれば國家全人類の滅亡せざる限りは存在しつゝあるものなり。

今假りに或る法文あり、主權者自身之を忘れ、全人民亦之を忘れたりとせんか、此れ旣に生命を失ひたるものにして其社會に存在せざるなり。羅馬の法律は記錄上存在するも今日の社會に存在せず。德川時代の法律も亦記錄上には存在するも今日の社會に存在せざるなり。又主權者が之を實行せんとするも臣民之を奉ぜざる時は即ち其社會に存在すと謂ふ可らず。