Page:Kokkaron1905.djvu/65

提供:Wikisource
このページは校正済みです

からざる者となすが如きは個人の大部生活を吸收したるなり。然る時は官吏は一の職にあらずして個人生活の髓腦たるなり。官吏は一個の機械の類にして人格は頗る遙か减殺せられたる者と謂はざる可らず。或は官吏は單に官省に出仕したる時に於て官吏たり。其外に於ては私人と異なるなく、私人の業務をもなし得るとなすことを得べし。其範圍は主權者の隨意に定め得る所なり。然れども一機關の會員は如何なる塲合に於ても其機關の目的を達し、其機關の利益を達するに勉めざる可からず、少くとも其機關の害とならざる事を勉めざる可らず。此れ會員の行動を束縛す