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Page:Kokkaron1905.djvu/35

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於ては機械的なり。隨て憲法の存廢修正は法律上即ち機械的の方面よりはなし得ずと雖も主權者としては自由になし得べし。事實に於て然りとなす。

要之。主權者の誰なるかは一社會に於ても時代と共に變遷する者なり。主權者は法律の制裁を受けず、事實として存在するものなり。事實は社會的原因に由りて變動す。故に法律又は宣言を以て主權者は誰なりと云ふも是れ一の空文にして何等の意味もなきなり。主權者は社會的の事實なるが故に名義の如何に關せざるなり。ルイナポレオンが撰ばれてコンソルとなりながら自由に憲法を改定したる如き是れなり。