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ア其他がイギリスの援助條約採決に傾き又これによつて彼等諸國も亦斯くの如き脅威を信ずる旨を暗示したので自國の利害關係の境界を決定することはドイツ政府にとり單に權利のみならず同時に義務であつたのである。
之等の諸國は其の後間もなく東部の脅威に對する最も强力な保證となり得た唯一の要素は獨りドイツ國のみであつたといふことを認めざるを得なかつた。之等の國が斯く後になつて始めて認識したのはドイツとしても遺憾とするところである。兎に角彼等の滅亡したのはその自己の政策を通じドイツとの連繫を遮斷し、その代りに他國の援助を信賴した結果に他ならないのであつてこの他國たるや數世紀來文字通りの自己主義に墮し未だ嘗て援助を與へず寧ろ常に救援を要求した國である。
然し乍らドイツは之等の國々の運命に就いて同情の念を禁じ得なかつた。フインランド人の冬季戰は吾人に苦惱と驚歎との混同せる一種の感情を抱かしめた。驚歎したのは吾人自身が尙武の國民として英雄的行爲や犧牲心に對し感じ易い情操を有するが爲であり、又心苦しく感じたのは吾人が西部の脅威的敵と東部に於ける危機とを空し