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Page:Inpukyo 1912.djvu/16

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天之至私。用之至公。禽之制在氣。

天は其神變不可思議る所より見れば至て私りと雖も其活動の流行する所より見れば至て公平なるものと謂ふべし。其の然る所以のもの如何。即ち一氣の作用に存するのみ。禽は擒なり、制なり。萬物を制御するを謂ふり。

生者死之根。死者生之根。恩生於害。害生於恩

陰陽は反對の性にして互に因となり果となる者り。生は死の因、死は生の因り。恩は害より生じ害は恩より生ずる者り。木は冬に遭ふて害され、來年を待て生ず。生ずるが故に復た冬殺に會ふ。乃ち生死と恩害とは互に因たり果たるものり。