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たとえば、ある仲間の編集者が間違ったことを書いたとき、議論の中でこの方はそれを「うそ」だと言いました。この編集者は後に、会話ページの中で、攻撃的で中傷的だと言って不満を述べています。なぜなら、本当に単なる誤りだったからです。この方は、ある編集者が書いた記事で何が間違っているかについて[訳注:その編集者宛てに]長々としたメッセージを送った時には、「脅迫的だ」とも言われました。

[訳注:今回の調査における質問の中で]ウィキペディアのコミュニティが敵対的だと思いますかと質問された時、この方は次のように答えています。

私[訳注:のやりかた]が無遠慮だということは認めます。 それは、私のプライオリティがウィキペディアの方針を順守させることや、砂糖で覆った言葉を使いもっとよいコミュニティを作ったり仲間の編集者との楽しい関係を保ったりすることにあるからです。

Kumiko, 門番

この方は、ウィキペディアで自分がかかわった仕事にプライドをもっています。この方のユーザーページには、自分の貢献や達成に関する詳細がびっしりと書かれています。ウィキペディアやTwitterを含めて、オンラインアカウントはすべて同じユーザーネームを使っており、オンライン上の活動はすべて一つのプロファイルとリンクしています。この方のユーザーネームは[訳注:本名とは]別の名前ですが、この意味では、 この方が認めているように本質的には自分の本名を言っているようなものです。

この方は、IP編集者には懸念を示しています。IP編集者はウィキペディア内で生じる混乱の元凶だと言っています。


門番の変種:自警
  • 主たる目的は[訳注:他の編集者や記事を]自分たちの基準に合わせるために、ウィキペディアの記事をコントロールすること

2人の編集者が、インタビューの中で「自警」の存在について述べています。回答者の1人によると、巡回者の中には、他の編集者の編集が、巡回者の考えるウィキペディアの方針の解釈にあわないと、嫌がらせや粘着をする人がいるということです。これらの「自警」はあまりにも熱心に巡回し、自分たちの基準に基づいて行動するので、誤った編集をする不慣れな新参の編集者を、「新参者」ではなく「荒らし」呼ばわりしてブロックしようとします。「自警」の中には、自分たちが認めない編集者たちに粘着し嫌がらせをする者もいます。別の編集者によれば、編集者の中には、自分が不当だと思うと、記事の編集者と接触せずに、すぐにリバートに訴えようとする者がいると言います。たとえば、編集者に観点を改善するように助言するのではなく、偏向している、煽情的だと[訳注:断定]して即リバートしようとします。もっと平和的なコミュニケーション手段を望んでいる編集者たちは、論争になれば消耗してしまうので、しばしば、この種の強制が、事実上の最終判決として受け入れられてしまいます[訳注:論争で疲弊することを避けるため、しぶしぶ相手に従い、リバートを容認するという意味]。