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を讀ましめて之を聽く。每條すなはち善と稱す。讀みをはりて之に謂て曰く、「爾後、見る 所あらば言ふを憚る勿れ」と。其人頓首して出づ。本多正信、侍坐し、啓して曰 く、「彼れ何ぞ輕卒なる。且其言ふ所一も取る可きなし。君何ぞ之を褒むるや」と 公、曰く、「否、吾れ其志を褒むるなり。且取る可き者︀なきを褒めば、則取る可き

者︀至る」と。