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法皇、勅して平族百八十餘人の官爵を奪ひ、其邑を沒し、分ちて之を義仲等に賜ひぬ。後鳥羽天皇即位乃、高倉帝の第四子を立てゝ、位に卽かしむ。平氏之を聞き、其取り去らざるを悔ゆ。

平氏九州に入る遂に帝を奉じて、行在所を豐後に建つ。豐後の國司藤原賴輔ふぢはらよりすけの子賴經よりつね、州人緒方維義をがたこれよしと與に、院宣を傳へて、西海の兵を收む。使をして來り吿げしめて曰く、「公等宜しく此に止るべからず」と。時忠之をめて曰く、「正統の天子こゝに在り。なんぢ