志を易(か)へず。海を窮(きは)め、天を極むるも、唯君の適(ゆ)く所のまゝならん。鳥獸すら且恩を記す。况(まし)て人々に於てをや」と。宗盛喜び、乃、相率ゐて淸盛の墓を拜し、樂(がく)を墓前に張りて夜を徹す。天明に其宮殿諸第を燒き、平氏西海に趣く航して西海に赴く。