り何方さまにも。うしろめたいかたなく。すへてさこそあらめと。人のためしにしつへき人からなり。えんかりよしめくかたはなし。式部のおもとは。をとうとなり。いとふくらけさすきて。こえたる人の。色いとしろくにほひて。かほそいとこまかによしはめる。かみもいみしくうるはしくて。なかくはあらさるへし。つくろひたるわさして。宮にはまいる。ふとりたるやうたいの。いとおかしけにも侍しかな。まみひたひつきなと。まことにきよけなり。うちゑみたる。あいきやうもおほかり。わかうとの中に。かたちよしと思へるは。小たいふ。源式部。小たいふはさゝやかなる人の。やうたいいと今めかしきさまして。かみうるはしく。もとはいとこちたくて。たけに一尺よあまりたりけるを。おちほそりて侍り。かほもかと〳〵しう。あなおかしの人やとそみえて侍。かたちはなをすへき所なし。源式部は。たけよきほとにそひやかなるほとにて。かほこまやかに。見るまゝに。いとおかしく。らうたけなるけはひ。ものきよくかはらかに。人のむすめとおほゆるさましたり。こ兵衞丞なとも。いと淸けに侍り。それらは。殿上人のみのこすすくなか・り。たれもとりはつしてはかくれなけれと。人くまをもよういするに。かくれてそ侍るかし。宮木の侍從こそ。いとこまかにおかしけなりし人。いとちいさくほそく。猶わらはにてあらせまほしきさまを。心とおひつきやつしてやみ侍にし。かみのうちきにすこしあまりて。すゑをいとはなやかにそきて參侍しそ。はてのたひなりける。かほもいとよかりき。五節の辨といふ人侍り。平中納言のむすめにして。かしつくと聞えしか。ゑにかいたるかほして。ひたひいたうはれたる人の。ましりいたうひき