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させおはしまさすなとにくみあへるに。御心にもいとむつかしう思召す。さはれ。苦しうもなし。ちかうたにもみきこえしとて。御迎へにと聞え給へれは。御せうとの君たち。女御殿の御迎へにまいらせたれは。さおほしたり。御めのとのさうしなるものとも。むつかしき物ともなと拂はするはときゝて。せんしかう〳〵して渡らせおはしますなり。春宮のきかせおはしまさん事も侍り。おはしまいて。申慰めまいらせおはしませとさはくを見るも。いといとおしうくるしけれとも。ともかくもいふへき事にしあらねは。たゝきゝゐたり。かくきゝにくき所しはしまかてはやと思へと。それもうたてあるへけれは。たゝさふらふも。猶物思ひたゆましき身かなと思ふ。宮おはしませは。さりけなくておはす。まことにや。女御殿に渡り給ふときくは。なと車の事もの給はせぬとの給へは。なにかあれよりとあれはとて。もの〳〵給はす。宮のうへ御文かき。女御殿の御言葉さしも。あら〳〵かきなしなめり。
右和泉式部日記扶桑拾葉集挍合了