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Page:Gunshoruiju18.djvu/36

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かたとおもふ十一月ついたち比。雪のうちふるつとめて。

 神代よりふりはてにける雪なれとけふはことにも珍しき哉

御返し。

 初雪といつれの冬もみしまゝに珍しけなきみのみふりつゝ

なとゝ。かゝるよしなしことにあかしくらす。御文あり。おほつかなく成にけれは。まいりてとおもひつるを。人々ふみつくるめれはとなんの給はせたれは。

 暇なみきまさすは我ゆかんふみつくるらん道をしらはや

おかしうおほして。

 我宿に尋ねてきませふみつくる道も敎へんあひもみるへく

又常よりも霜のいとしろきに。いかゝ見るとの給はせたれは。

 さゆるよの數かく鴫は我なれやいく朝霜を置てみつらん

その比雨なとのはけしけれは。

 雪もふり雨も降ぬるこの比を朝しもとのみおきゐてはみる

その夜おはしまいて。れいの物はかなき御物かたりせさせ給て。もしかしこにゐてたてまつりて後。まろかほかにもゆき。法師にもなりなとして見えたてまつらすは。本意なきやうにやおほされすると心ほそうの給はするに又いかにおほし成ぬるにかあらん。またさやうなる事のいてきぬへきにやあらむと思ふに。いと哀にてうちなかれぬ。みそれたちたる雨のの[と歟]かにふるほとになり。いさゝかまとろまて哀なる事ともを。此よのみならすの給はせける。思ひかけぬすちのましらひなりとあはれになに事もきこしめしうとまぬ御心さまなれは。心のほとも御覽せられんとておもひたつ。たゝかくてはほいのさまにも成ぬはかりそかしとおもふ。いとかなしうて。物もきこえてつくつくとなけくけしきを御覽して。

 なをさりのあらましことに夜もすから