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Page:Gunshoruiju18.djvu/341

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ひとのくちをおしあゆもしおもふやうあらんや。けふはみやこのみぞおもひやらるゝ。こゝのへのかどのしりくべなはのなよしのかしらひゝら木ら。いかにぞとぞいひあへる。

二日。なほおほみなとにとまれり。講師ものさけおこせたり。

三日。おなじところなり。もし風なみのしばしとおしむ心やあらん。こゝろもとなし。

四日。かせふけばえいでたゝず。まさつらさけよきものたてまつれり。このかうやうに。物もてくる人に。なほしも[はイ]あらで。いさゝけわざせさすものもなし。にぎはしきやうなれどまくるこゝちす。

五日。かせなみやまねば。なほおなじところにあり。人々たえずとぶらひにく。

六日。きのふのごとし。

七日になりぬ。おなじみなとにあり。けふはあをむまをおもへどかひなし。たゝなみのしろきのみぞ見ゆる。かゝるあひだ[ほどイ]に。人の野イへのいけとなあるところより。こいはなくて。ふなよりはじめて。かはのもうみのもことものども。ながびつにになひつゞけてをこせたり。わかなぞけふをばしらせたる。うたあり。その歌。

 淺茅生の野へにしあれは水もなき池につみつる若菜也けり

いとをかしかし。このいけといふは。所の名なり。よき入のおとこにつきて。くだりてすみけるなり。このながびつのものは。みな人わらはまでにくれたれば。あきみちて。ふなこどもは。はらつゞみをうちて。海をさへおどろかして。浪たてつべし。かくてこのあひだにことおほかり。けふわりごもたせてきたる人。そのななどぞやいまおもひいでん。この人うたよまんとおもふこゝろありてなりけり。とかくい