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Page:Gunshoruiju18.djvu/339

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廿四日。講師むまのはなむけしにいでませり。ありとあるかみしもわらはまでゑひしれて。一文字をだにしらぬものしが。あしは十文字にふみてぞあそぶ。

廿五日。かみのたちより。よびにふみもてきたなり。よばれていたりて。日ひとひ夜ひとよ。ふかくあそぶやうにてあけにけり。

廿六日。なほかみのたちにてあるにイあるじしのゝしりて。郞等までに物かづけたり。からうた聲あげていひけり。やまとうた。あるじもまらうどもこと人もいひあへりけり。からうたはこれにえかゝず。やまとうた。あるじのかみのよめりける。

 都いてゝ君にあはんとこしものをこしかひもなく別ぬる哉

となんありければ。かへるさきのかみのよめりける。

 白砂のなみちを遠くゆきかひて我ににへきは誰ならなくに

こと人々のもありけれど。さかしきもなかるべし。とかくいひて。さきのかみいまのも。もろともにおりて。いまのあるじもさきのも。手とりかはして。ゑひごとにこゝろよげなることして。いてさイりにけり。

廿七日。おほつよりうらとをさしてさしてこぎいづ。かくあるうちに。京にてうまれたりしをんなこイこゝくにイにてにはかにうせにしかば。このごろのいでたちいそぎをみれど。なにごともいはず。京へかへるに。をむなごのなきのみぞかなしびこふる。ある人々もえたへず。このあひだにある人のかきていだせるうた。

 都へと思ふもものゝ悲しきはかへらぬ人のあれはなりけり

またあるときには。

 ある物と忘れつゝ猶なき人をいつもとこふそ悲しかりける

といひけるあひだに。かこのさきといふところに。かみのはらから。またこと人これかれ。