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Page:Gunshoruiju18.djvu/24

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かせ給ふに目をさましてよろつをおもひつゝけふしたるほと也けり。すへて此比は折からにや。物心ほそう哀れに常よりもおほえてそなかめける。あやし。たれならむとおもひて。まへなる人を引おこしてことゝはせんとすれともとみにもおきす。からうしておきても。爰かしこ物にあたりさはく程に。たゝきやみぬ。歸りぬるにやあらん。いきたなしと思しぬらんこそ。物思はぬさまなれは。同し心にまたねさりけるかな。誰ならんと思ふ。からうしていてゝ。人はなかりけれは。そらみゝきゝおはさうして。夜のほとたになにとかまとはさるゝ。さはかしのとのゝおもとたちやと腹たちてまたねぬ。女はやかておきて。いみしうきりたる空を詠つゝ。あかく成ぬれは。此曉おきのほとの心におほゆる事ともを。はかなきものにかきつくるほとにそ。れいの御文ある。たゝ。

 秋の夜の有明の月の入まてにやすらひかねて歸りにし哉

いてやけに。いかに口おしきものに思されつらんと思ふよりも。なをおりふしすくし給はすかしと。誠に哀なる空のけしきを見たまひけると思ふに。いとおかしうて。この手習のやうにかきたるものをそ。御返のやうに曳結ひてたてまつる。風の音木のはの殘りあるましけに吹亂る。常よりも物あはれに覺ゆる。ことしうかきくもる物から。たゝけしきはかり雨うちふるは。せむかたなく哀におほへて。

 秋のうちに朽はてぬへくことはりの雨に誰か袖をからまし

となけかしう思へと。しる人もなし。草木のいろさへ見しまゝにもあらす成もてゆく。しくれん程の久しさも。またきに覺ゆる仁。風に心苦しけにうちなひきたるには。たゝ今もきえぬへきつゆの我みそあやしう。草葉につけてかなしきまゝに。奧にもいらて。やかてはしに