Page:Gunshoruiju18.djvu/13

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は。さなめりとおもひてさふらふ。あやしき車にて。かくなんといはせ給へれは。女いとびなき心ちすれと。なしと聞ゆへきにもあらす。ひるも御返きこえさせつれは。ありなからは。さなからかへし奉らんもなさけなし。物はかりはきこえさせむとおもひて。にしのつまとに圓座さし出て入たてまつるに。世の人のいへはおほゆるにやあらむ。まことになへての御さまにはあらす。いとなまめかし。これも心つかひせられて。ものなと聞ゆるほとに。月さし出ぬ。いとあかし。ふるめかしうおくまりたるみなれは。かゝるところなとには居ならはぬを。いとはしたなきこゝちもするかな。そのおはする所にすへ給へ。よもさき見給ふらん人のやうにはあらしとのたまへは。あやし。こよひのみこそきこえさすなとおもひ侍れ。さきはいかてかはとはかなきこときこゆるほとに。夜もやうふけぬ。かくてあかしつへきにやとて。

 はかもなき夢をたにみて明しては何をか夏の夜語りにせむ

とのたまへは。かくなむ。

 よと共にぬるとは袖を思ふみものとかに夢を見る宵そなき

まいてときこゆ。かろしきありきなとへきにもあらす。なさけなきやうにおほすとも。まことにものおそろしきまてこそおほゆなとのたまひて。やをらすへりいり給ひぬ。いとわりなきこゝちすれと。いふかひなきに。事ともをいひちきりて。あけぬれはかへり給ぬ,いまのまはいかゝとあやしくこそとて。

 戀といへはよの常のとや思ふ覽今朝の心はたくひたになし

御返し。

 よの常の事ともさらにおもほえす初て物をおもふみなれは

ときこえても。なをあやしかりける身かな。こはいかなる事そとあはれに。古宮のさはかり