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Page:Gunshoruiju17.djvu/157

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 彥星に戀はまされり天のかはへたつる關を今はとめてよ

これををかしとやおもひけん。あひにけり。

昔おとこ有けり。女をとかういふこと月日へにけり。女岩木ならねば。いとほしうやおもひけん。やう思つきにけり。その比みな月のつごもりばかりなりければ。女かさもひとつふたつ身にいでたりければ。いひをこせたる。いまはなにのこゝちもなし。身にかさもひとつふたついできにけり。時もいとあつし。すこし秋風たてゝあはんといへりけり。さて秋まつほどに女のちゝ。その人のもとにいくべかなりときゝて。いひのゝしりてくせて[くぜちいでイ]きにけり。さりければ此女のせうと。にはかにむかへにきたりければ。女かえでのはつもみぢをひろひてかきをく。

 秋かけていひし中にはあらなくに木葉降しくえに社有けれ

とみせて。かしこより人をこせたらば。これをやれといひをきていぬ。さて後つゐによくてやあるらん。あしくてやあるらむ。いく所もしらでやみぬ。此おとこ。いみじうあまのさかてをうちてなんのろひをるなる。むくつけきこと。人のおもひは。をふ物にやあらん。今こそ見めとぞいひける。

昔。ほり川のおほいまうちぎみと申いまそかりけり。四十の賀九でうの家にてせられける屛風に。中將なりけるおきな。

 櫻花散かひまかへ老らくのこんといふなるみちまとふまてまとふやに一本、かふかに古今

むかし。をき[おほきイ]をとゞときこゆるおはしけり。つかうまつるおとこ。なが月ばかりに。さくらのつくりたるえだに。きじをつけて奉るとて。

 我たのむ君かためにとおる花は時しもわかぬ物にそ有ける

とよみてたてまつりたりければ。いとかしこがり給て。使にろくたまへり。

昔。右近のむまばのひをりの日。むかひにたて