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Page:EkiToJinsei.djvu/33

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稱すべきである。

 余は易のために特に一室を設け特に此種の精神を養い兼ねて世人 の易を問ふものに答へたく思ふ。

三 陰中陽陽中陰

イ 出處

 さて又陰中陽陽中陰といふことがある。此說は所謂道家の根本主義 で、古來其徒の常に唱道して居る處であるが、其が易から出て居ることは 疑ひない。卽ち八卦の中のait=☵は水を意味し、離☲は火を意味するが水 と火とは陰陽相對する天地間の二大現象である。其處で道家は水火 兩者を以て陰陽の符號となし、之を弄ぶことをした。遂には日月を火水 と見て金鳥玉兎などと言ひ出し陰陽日月の理に隨て其の心を養ふこと を稱して鳥兎に由つて養ふとか、或は金鼎玉爐に由りて養ふとかいふ