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暴虐を憤り、公廳衆人の前に、『我女よ、斯くして汝を救はん』と叫びて、其女を刺殺したる後、羅馬を去り、遂に兵を擧げ、都市を攻めて、十大憲政治を轉覆し、クローヂアスを捕へて之を殺せり。(マコレー卿『羅馬古歌』を見よ)

註(二) パーペチユア(Perpetua)は羅馬の基督敎徒婦人なりき。迫害に逢ひ、敎に殉じて、鬪伎場アレナ裡、牡牛の爲に肢體を劈かるゝや、氣息將に絕せんとして、尙ほ弊衣を取りて、其膚を被ひたりと傳ふ。

註(三) コルネリア(Vestal Cornelia)は羅馬ヴエスタの宮に奉仕する童貞ヴエスタルなりき。曾て大禁を犯して、生埋の刑に處せらる。其の穴を下るに當り、衣の一端地に觸れて、肌を露したり。守兵因つて之を蔽はんとしたれど、コルネリア辭するに、男子の爲に肌を蔽はるゝは、女子の耻づる所なりと云ひ、徐に其衣を正したる後、從容として死に就きたり。

註(四) ダモンとピシアスと(Damon and Pythias)は、共にシラキユース市の靑年にして、膠漆の交をなせり。ダモン曾て罪あり、暴君ダイオニシ