Page:Basho Haiku Zenshu.djvu/72

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須の篠原を尋ねてなほ殺生石見んと急ぎ侍る程に雨降り出でければ

    落ち來るや高久の宿の時鳥

    黑燒釜割つて捨てけり時鳥

    啼けや啼け耳の酸うなる時鳥

     戶の口といふところにて

    戶の口に宿札名乘れ時鳥

    口辷れ油月夜の時鳥

     小夜の中山