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ゞ越えつるやといふに

    風流のはじめや奧の田植歌

     葦野

    田一枚植ゑて立ち去る柳哉

不二詣

    不二の風や扇にのせて江戶土產

納凉

    皿鉢のほのかに響く宵すゞみ

     風瀑に餞別す

    忘れずば小夜の中山にてすゞめ

     東武より上りて人々に對面す

    東路の毛脛恥かし床すゞみ