Page:Basho Haiku Zenshu.djvu/57

提供:Wikisource
このページは校正済みです

    雪の鰒左勝水無月の鯉

     日光裏見の瀧

夏の始

    暫くは瀧にくもるや夏の始

夏の日

    遠淺や夏の日の出の舟こゝろ

短夜

    短夜や驛路の鈴の耳につく

夏の夜

    夏の夜や崩れて明けし冷し物

凉し

    凉さや緣より足をぶらさげる

    凉さを畫に寫しけり嵯峨の竹

     尾花澤淸風亭

    凉さを我宿にして寐まる也