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夏來る

    夏來ても只一ツ葉の一ツかな

四月

    思ひ出す木曾や四月の櫻狩

     さつき三十日の不二を思び出らるゝに

五月

    目にかゝる時や殊更五月富士

六月

    六月や峰に雲置く嵐山

    水無月は腹病やみの暑哉

    水無月や鯛はあれども鹽鯨