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日本人が洋食店に行くと、婦人を連（つ）れた客（きやく）の這入（はい）るボツクスに男同志で陣取 る癖（くせ）がる。日本の料理屋で一室を占領する習（しふ）慣（くわん）のあつた彼等は社交的に食（しよく）事（じ）を することに慣（な）れぬのであらうが、西洋人だと工（ぐ）合（あひ）も惡（わる）いと見える。此點を心得 た支那料理屋は如（じよ）才（さい）なく日本人向の小ボツクスを幾個（いくつ）も拵（こしら）へて置くなども、支 那料理の繁（はん）昌（しやう）する一因（いん）をなして居るであらう。

米國小學校參觀

太（たい）平（へい）洋（やう）沿（えん）岸（がん）の米國小學校には多數の日本生徒が入（にふ）學（がく）して居る。此等の生徒は 主（おも）に米國生（うま）れの可愛らしい子供であるが、五六年前までは日本から新（しん）參（ざん）の靑年 が語學の練（れん）習（しふ）旁（かた〴〵）入學して居る者も多かつた。日本人は年（ねん）齡（れい）の割合に年が若（わか）く 見えるので、二十以上の成年者でも學校では生（せい）徒（と）として入學を許（ゆる）して吳れた。