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Page:成吉思汗実録.pdf/50

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に本づきて​改正 增補​​カイセイ ゾウホ​したるものにして、蒙古字の​同形 異音​​ドウケイ イオン​なるものには、​規則​​キソク​ ​正​​タヾ​しく​點​​テン​をつけて​區別​​クベツ​を​明​​アキラ​かにせり。​攃行​​ツアギヤウ​ ​咱行​​ヅアギヤウ​ ​饒行​​ジヤギヤウ​ ​帕行​​パギヤウ​ ​法行​​フアギヤウ​の字は、蒙古字になかりしものを補へるなり。テンプレート:Manchu missing ​猶​​ナホ​その外に(k')を父音とせる​卡行​​カギヤウ​の🈵🈵​卡​​カ​(k'a)、🈵🈵​稞​​コ​(k'o)、(g')を父音とせる​嘎行​​カギヤウ​の🈵🈵​嘎​​ガ​(g'a)、🈵🈵​郭​​ゴ​(g'o)、(h')を父音とせる​𡀾行​​ハギヤウ​の🈵🈵𡀾(h'a)、​豁​​ホ​(h'o)、(sy)を父音とせる🈵​四​​シ​(syi)、(ts)を父音とせる🈵​此​​チ​(tsi)、(ch'y)を父音とせる🈵🈵勅(ch'yi)、(jy)を父音とせる🈵🈵​智​​ヂ​(jyi)などあれども、表には略けり。これらの補へる文字のうち、​卡行​​カギヤウ​ ​嘎行​​ガギヤウ​ ​𡀾行​​ハギヤウ​ ​攃行​​ツアギヤウ​ ​咱行​​ヅアギヤウ​ ​饒行​​ジヤギヤウ​の六行と🈵🈵🈵🈵の四音とは、支那の音を譯せんが爲に作れるなり。

 ​失哩亞​​シリア​より傳はれるこの​表音字​​ヘウインジ​は、​委古兒​​ウイグル​ ​忙豁勒​​モンゴル​を​歷​​ヘ​て次第に改正し、滿洲字となりて、​字畫​​ジクワク​は​益​​マス ​簡易​​カンイ​に​赴​​オモム​き、​筆​​フデ​の​運​​ハコ​びも​自在​​ジザイ​になり、字の數は、吾の數だけ​備​​ソナ​はりて、​重複​​チヨウブク​の字もなく、一字を二音に用ふることもなし。​字畫 簡易​​ジクワク カンイ​、​運筆 自在​​ウンピツ ジザイ​にして、口より出づる音を​明確​​メイクワク​に​表​​アラハ​すものは、​表音字​​ヘウインジ​の​目的​​モクテキ​を​最 善​​モツトモ ヨ​く​達​​タツ​したるものなりとせば、滿洲字は、​實​​ジツ​にその​理想​​リサウ​に​近​​チカ​づきたる文字なり。されども漢︀字の​力​​チカラ​に​壓​​オ​されて廣く用ひられざるを見れば、文字の​流行​​リウカウ​にも​勢​​イキホヒ​と​機會​​キクワイ​とありて、その物の​善惡​​ヨシアシ​のみには​拘​​カヽハ​らざるを知るべし。

 又この表の音譯字の、前の表に同じきものは、字の​左​​ヒダリ​に​圈​​ワ​