2004ダ50426

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貸金返還請求[編集]

主文[編集]

原審判決中,被告ら敗訴部分を破棄し,本部分事件をソウル中央地方裁判所に差し戻す。

理由[編集]

上告理由を判断する。

1. 上告理由第1点について[編集]

債務の免除は,必ずしも明示的な意思表示のみによらなければならないものではなく,債権者の何らかの行為ないし意思表示の解釈により,それが債務の免除であると考えられる場合においても,これを認めなければならないものではあるが,このように認めるためには,当該権利関係の内容に従いこれに対する債権者の行為ないし意思表示の解釈を厳格にし,その適用与否を決定しなければならない(最高裁判所 1987. 3. 24. 言渡し 86ダカ1907,1908判決等参照)。

原審が,2001. 3. 29.原告が被告らに対する貸金債権を被保全権利として被告1所有不動産に仮差押え執行をした後2001. 5. 14.その仮差押えを解除した事実,2001. 6. 8.被告2が国税庁から原告が理事として所属する株式会社(名称略)に対する債務履歴を開示せよという内容の郵便を受けた事実のみでは,被告らの主張のように,被告らが株式会社(名称略)を国税庁に申告しない代価として原告が被告らの債務を全て免除したものと考えることはできないと判断したことは,上法理に照らして見れば正当であり,この点に債務免除に関する法理を誤解し判決に影響を及ぼす違法はなく,その点に関する原審の証拠選択及び事実認定を争う主張は,適法な上告理由となり得ない。

2. 上告理由第2点について[編集]

イ.金銭消費貸借契約とともに利息の約定をした場合,双方当事者間の経済力の差異により,その利率が当事者の経済的・社会的条件に照らして社会通念上許容される限度を超過して著しく高率に定められたとすれば,そのように許容しうる限度を超過した部分の利息約定は,貸主がその優越した地位を利用して不当な利得を得て,借主には過度な反対給付又はその他の不当な負担を負わせるものであるから,善良な風俗その他社会秩序に違反する事項を内容とする法律行為として無効であるといえる。

このように,善良な風俗その他社会秩序に反し無効である部分の利息約定を原因として借主が貸主に任意に利息を支払うことは,通常不法原因による財産給付であると考えられるものであるが,不法原因給付でもその不法原因が受益者にのみある場合であるか,又は受益者の不法性が給付者のそれより著しく大きいために給付者の返還請求を認めないことがむしろ公平及び信義則に反することとなる場合には,給付者の返還請求が許容されると解釈されるから(最高裁判所1993. 12. 10. 言渡し 93ダ12947 判決等参照),貸主が社会通念上許容される限度を超過する利率の利息を約定し,支払いを受けたことは,その優越した地位を利用して不当な利得を受け,借主には過度な反対給付又はその他の不当な負担を負わせるものとして,その不法の原因が受益者である貸主にのみあるか,又は少なくとも貸主の不法性が借主の不法性に比して著しく大きいと言えため,借主は,その利息の返還を請求することができると考えることが相当である。


ロ.其れにも拘らず,原審が1999. 9. 17.から2000. 10. 30.までの間に原告から借用した金銭に対して支払った利息のうち正当な利率の範囲を超過する部分は,不当利得として被告らに返還しなければならないという被告らの相殺の抗弁を判断するにあたり,上で見た法理とは異なり,当事者間に約定された利率の一部が社会秩序に反するものとして一部無効となるとしても,債務者がその利率により利息を任意に支払ったときは,その返還を求めることができないとして相殺の抗弁を排斥した点には,社会秩序に反して高率で約定した利息の支払いによる不法利得ないし不法原因給付返還に関する法理を誤解した結果その無効事由を判断せず,判決に影響を及ぼす違法がある。このような点を指摘する趣旨の上告理由は,理由があるからこれを採用することとする。

3. 結論[編集]

従って,原審判決中被告ら敗訴部分を破棄し,本部分事件を再度審理・判断させるために原審裁判所に還送することとし主文の通り判決する。本判決には,上告理由第2点に対する判断に関して裁判官 コヒョンチョル,裁判官 キムファンシク,裁判官 パクイルファン,裁判官 アンデヒの反対意見があるほかは,関与裁判官らの意見が一致した。

4. 裁判官 コヒョンチョル, 裁判官 キムファンシク, 裁判官 パクイルファン, 裁判官 アンデヒが表明した反対意見は,次の通りである。[編集]

イ.多数意見は,金銭消費貸借契約とともに利息の約定をする場合,双方当事者間の経済力の差異によりその利率が当時の経済的・社会的与件に照らして社会通念上許容される限度を超過して著しく高率に定められたとすれば,その限度を超過する部分の利息の約定は,善良な風俗その他社会秩序に反する事項を内容とする法律行為として無効となり,借主がその限度を超過する利息を任意に支払ったとしてももっぱら貸主にのみ不法性があるか,又は少なくとも貸主の不法性が借主の不法性に比して著しく大きいと考えるべきであるから,借主の返還請求が許容されるべきであるとする。

ロ.しかしながら,借主が任意に支払った利息の返還を求めることができるとした多数意見には,次のような理由から賛成することができない。

(1)金銭消費貸借約定当時の経済的・社会的与件又は当事者の経済的地位等に照らして著しく効率の利息や苦情をした場合において,社会通念上許容されうる限度を超過する部分の利息約定が一定の要件下に民法第103上に違反する法律行為として無効と評価されうることは,多数意見が指摘したところと同様である。だが,社会通念上許容されうる限度とは,約定当時の経済的・社会的与件の変化により流動的であらざるを得ないのみならず,法律的な評価又は価値判断が介入せずには,初めてその具体的な範囲を確定することができず,当事者としては,無効の基準及び範囲を明確に認識することができないという問題がある。

従来は,利息制限法により無効となる利息約定の範囲を明確に認識することができたが,当事者間の利率決定は自由な市場経済機能に委ねることが妥当であるという考慮から1998. 1. 13.利息制限法が廃止されただけに,これ以上これを基準とすることはできなくなり,多数意見も具体的に無効となる基準及び範囲を提示することはできないでいる。原審は,本件消費貸借以降に施行された貸付業の登録及び金融利用者保護に関する法律所定の制限利率を一応の基準として,これを超過する利息約定を無効と考えたものと理解されるが,上記法律所定の制限利率が絶対的な基準とはなり得ないものであって,延いては社会通念上許容されうる適正利率(以下便宜「適正利率」という)という,もっぱら利率のみを基準として判断する問題でなく当時の経済的・社会的与件又は当事者の経済的地位,消費貸借に至ることとなった経緯等を総合的に考慮して判断しなければならない問題であるだけに,利息制限法が廃止された原状況においてもっぱら利率のみを基準として適正利率与否を判断することは,決して妥当であると言うことはできない。

結局,一定の場合高率の利息約定が無効と評価されうるとしても,無効の基準及び範囲,即ちどの範囲内で利息約定が無効となり,貸主が受けてはならない利息が俄然いくらであるのかに関して貸主に予測可能性があると考えることは困難で,従って貸主が借主から適正利率を超過する利息の支払いを受けたとしても,貸主が明確に不法性を認識していたと評価することは困難であるといえよう。

(2)多数意見は,借主が適正利率を超過して支払いを受けた利息は不法原因給付に該当するものと見ることができるとしながらも,その不法性がもっぱら貸主にのみあり,又は貸主の不法性が借主の不法性に比して著しく高いためこの場合,借主の返還請求は許容されるべきであるとしている。

しかしながら,適正利率を超過する利息約定が民法第103条に違反し無効であると考えたとしても,当事者間の約定に従い利息が支払われたものである以上,その不法原因は貸主及び借主双方全てにあると見るほかなく,一般的に借主が貸主より経済的に劣悪な地位にあるという点を勘案しても,前に指摘したように貸主が不法性を明確に認識していたと評価することは困難であるという点に照らして見れば,一律に貸主の不法性が借主のそれに比して著しく大きいとのみ断定することはできないといえよう。

特に,本件のように金融機関との間の取り引きではない私人間に取り引きを行うにあたり,全く物的担保なしに借主ないし保証人の信用のみを担保として金員を貸与する場合,貸主としては,借主の破産や逃避,死亡等の事由により債権を回収することができなくなる危険を甘受する対価として高率の利息を要求することが一般的であり,反面,借主としては,金融機関から貸し出しを受ける場合に比して高率の利息を負担しなければならないものの,もしこのような負担を甘受しなかったとすれば別途まっとうな資金融通の手段がないために,多少高率の利息を負担したとしてもそれが経済的に見て有利であるという判断の下,金員を借用するに至るといえる。このように,貸主としては高収益を上げることができる代わりにそれだけ高危険の負担を抱くほかないという点,借主の経済的必要により金銭取引がなされると考えられる点等を勘案して見るとき,もっぱら貸主にのみ不法性があると考え,又は貸主の不法性のみを過度に協調することは,決して適切でないといえよう。

過去,利息制限法が適用された事案に関して,最高裁判所は,利息制限法所定の制限利率を超過した利息を任意に支払った場合,これは不法原因給付に該当し,その不法原因が貸主及び借主双方にあり,借主は支払われた利息の返還を求めることはできないと判示してきたところ(最高裁1961. 7. 20.言渡4293〔西暦1960〕民上617判決,最高裁1988. 9. 27.言渡87ダカ422,423判決,1994. 8. 26.言渡94ダ20952判決等参照),明確な無効の基準のなくなった現状において,むしろ貸主の不法性を強調することは,均衡の合わない解釈であるとせざるを得ない。

任意に利息を支払うことによりすでに取り引きの終了した状況において,再度借主の返還請求を許容するとすれば法的安定性を害する恐れもある。

(3)結局,借主が適正利率を超過した利息を任意に支払った場合,もっぱら貸主にのみ不法性があり,又は貸主の不法性が借主の不法性よりも著しく高いと考えることは困難であるといえ,従って,民法第746条本文により,借主の返還請求は認められないと解することが相当である。

ハ.同様の趣旨から被告らの相殺の主張を排斥した原審の措置は正当なものとして首肯することができ,ここに上告理由として主張するところのような不当利得返還に関する法理誤解等の違法があると見ることはできないから,上告を棄却することが相当である。

最高裁判所判事 コヒョンチョル キムヨンダム キムヨンラン ヤンスンテ キムファンシク パクシファン キムジヒョン イホンフン パクイルファン キムヌンファン チョンスアン(主審) アンデヒ

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