馬太傳第十九章

提供: Wikisource
ナビゲーションに移動 検索に移動
Wikisource:宗教 > 聖書 > 新約聖書(ヘボン訳) > 馬太傳福音書
  • : この文書ではルビが使用されています。ここでは「単語ルビ」の形で再現しています。一部の古いブラウザでは、ルビが正しく見えない場合があります。

第十九章[編集]

[1] 耶穌このことをいひおはりしとき ガリラヤをさりてヨルダンのむかふユダヤのさかひにいたりけるに
2 おほくの人〴〵かれにしたがひしかば そこにてこれらをいやしたまへり
3 パリサイの人きたりて耶穌をこゝろみいひけるは ひとなにのわけにてもそのつまをいだすはよきや
4 こたへてかれらにいひけるは 元始はし[じ]めより人をつくりしもの これを男女なんによにつくりたまひし
5 このゆゑに人父母をはなれてそのつまにそひ 二人ふたりのもの一體いつたいとなるべしといひしことをいまだよまざるか
6 さればはやふたつにあらて[で]一體いつたいなり ゆゑに神のあはせしものを人はなすべからず
7 耶穌にいひけるは しからばモーセ離縁状りゑんじやうをあたへてつまをいだすべしとめいじたるはなんぞや
8 かれらにいひけるは モーセは汝らのこゝろのつれなきによつて つまをいだすことをゆるせり されどはじめはかくのごとくあらざりし
9 われ汝らにつげん たれにても淫事いんじのゆゑならずしてそのつまをいだし ほかのをめとるものは姦淫かんいんするなり またいだされたるをんなをめとるものも姦淫するなり
10 そのでし耶穌にいひけるは もし人つまにおいてかくのごとくならば めとらざるにしかず
11 かれらにいひけるは さづけられたるものにあらざれば 人みなそのことばをきゝいるゝことあたはず
12 それはゝのはらよりうまれついたる寺人じじんあり また人より寺人じじんにされたるもの また天國てんこくのためにおのれより寺人になりたるものあり よくきゝいるゝものはこれをきゝいるべし
13 そのときをつけていのらんために耶穌につれきたるおさなあり 門徒でしこれをとゞめたり
14 耶穌いひけるは おさなごをゆるしてわれにきたるをきんずるなかれ それ天國てんこくのものはかくのごときものなればなり
15 すなはちこれにをつけて そのところをさりぬ
16 みよ あるものきたりてかれにいひけるは よきかな や われかぎりなきいのちをえんために なにのよきことをなすべきや
17 かれにいひけるは われをよきといふはなんぞや ひとりの神のほかにはよきものあらず もしいのちにいらんとほつせば いましめをまもるべし
18 耶穌にいひけるは なにぞや 耶穌いひけるは ころすべからず 姦淫かんいんすべからず ぬすむべからず いつはりの證據しやうこをたつべからず
[19] 父母をうやまへ またおのれのごとくとなりのものをいつくしむべし
20 わかきものかれにいひけるは このことはわれいとけなきよりみなまもれり われなほなににかけたることありや
21 耶穌かれにいひけるは もしよきをつくさんとほつせば ゆきて汝が所持しよぢのものをうりてまづしきものにほと[ど]こせ すなはちてんたからをもつべし かつきたりてわれにしたがへ
22 わかきものそのいふことをきゝ うれひてさりぬ それかれはおほひなる身上しんしやうなればなり
23 耶穌そのでしにいひけるは まことに汝らにつげん とめるものは天國てんこくにいることかたし
[24] また汝らにつげん とめるものゝ神のくににいるよりも 駱駝らくだはりあなをとほることはなほやすきなり
25 でしこれをきゝ はなはた[だ]おどろきていひけるは しからばすくはるゝものはたれぞや
26 耶穌かれらをみていひけるは これ人間にんげんにはあたはざることにて 神にあたはざるところなし
27 ペテロこたへて耶穌にいひけるは みよ われらはすべてをすてゝ貴君あなたにしたがへり なにをうべきか
28 耶穌かれらにいひけるは まことに汝らにつげん われにしたがひし汝らはのあらたまるときに人のそのたつときくらゐにざし 汝らもまたイスラエルの十二の支流わかれ支配しはいして十二のくらゐにざすべし
29 わがのためにいへあるひは兄弟あるひは姊妹しまいあるひは父あるひは母あるひつまあるひあるひははたをすてしものは百倍ひやくばいをうけ かつかぎりなきいのちをつぐべし