韓國通信機關委托ニ關スル取極書

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日韓兩國政府ハ韓國ノ通信機關ヲ整備シ日本國ノ通信機關ト合同聯絡シテ兩國共通ノ一組織ヲナスヲ以テ韓國ノ行政上並經濟上得策ナリトシ且之カ爲韓國ノ郵便電信電話事業ヲ日本政府ノ管理ニ委托スル必要ヲ認メ大日本帝國特命全權公使林權助及大韓帝國外部大臣李夏榮ハ各相當ノ委任ヲ受ケ左ノ取極ヲナス

  • 第一條 韓國政府ハ其國内ニ於ケル郵便電信及電話事業(宮内府專屬ノ電話ヲ除ク)ノ管理ヲ日本國政府ニ委托スヘシ
  • 第二條 韓國政府ノ既設通信事業ニ關聯スル土地建物器具機械其他一切ノ設備ハ本協約ニ依リ日本國政府ノ保管ニ移ルモノトス
    前項土地建物其他ノ設備ニ關シテハ兩國ノ官憲會同ノ上財産目錄ヲ調製シ以テ他日ノ證トスヘシ
  • 第三條 韓國ノ通信機關擴張ノ爲日本國政府ニ於テ必要トスル場合ニハ國有ノ土地及建物ハ無償ニテ之ヲ使用シ及一私人ノ土地建物ハ之ヲ有償ニテ收用スルコトヲ得
    電郵兩司ヲ除クノ外宮内府所管ノ土地各陵園墓廟社ノ附近地及各官廳ハ前項國有土地及建物ノ無償使用ノ限ニアラス(明治三十八年四月二十二日照會ヲ以テ添入ス)
  • 第四條 通信機關ノ管理及財産ノ保管ニ關シテハ日本國政府ハ自己ノ計算ヲ以テ善良ナル管理人ノ責ニ任スヘシ
    通信機關ノ擴張ニ要スル費用モ亦日本國政府ノ負擔タルヘシ
    日本國政府ハ通信機關ノ管理ニ關スル財政狀況ヲ韓國政府ニ公示スヘシ
  • 第五條 日本國政府カ通信機關ノ管理若ハ擴張上必要トスル設備並物件ハ一切ノ課税ヲ免除セラルヘシ
  • 第六條 日本國政府ノ管理權及業務擴張ニ牴觸セサル範圍ニ於テ現在ノ通信院ヲ存置スルハ韓國政府ノ任意タルヘシ
    日本國政府ハ管理及擴張ノ業務ニ關シ可成多クノ韓國官吏又ハ使用人ヲ用ユヘシ
  • 第七条  郵便電信及電話ニ関シ從前韓國政府カ外國政府ト協定シタル事項ニ付テハ日本國政府代テ其權利ヲ行使シ其義務ヲ履行スヘシ
    通信機關ニ關シ將來新ニ韓國政府ト外國政府トノ間ニ協定ノ必要アル場合ニ於テハ日本國政府ハ韓國政府ニ代テ其協定ノ責ニ任スヘシ
  • 第八條 日本國政府ト韓國政府トノ間ニ從來成立セル通信機關ニ關スル各種ノ協定ハ本協約ニ依リ當然改廢變更セラレタルモノトス
  • 第九條 後來韓國通信事業發達ノ爲日本國政府カ既成設備ノ管理保管及新事業擴張ニ費シタル出費ニ對シ十分ノ收益ヲ生スルニ至ルトキハ日本國政府ハ收利ノ内相當ノ部分ヲ韓國政府ニ交付スヘシ
  • 第十條 將來韓國政府ノ財政ニ十分ノ餘裕ヲ生シタル場合ハ兩國政府協議ノ上通信機關ノ管理ヲ韓國政府ニ還附スヘシ

明治三十八年四月一日

特命全權公使 林權助(印)

光武九年四月一日

外部大臣 李夏榮(印)

この著作物は、日本国の旧著作権法第11条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 法律命令及官公文書
  2. 新聞紙又ハ雑誌ニ掲載シタル雑報及時事ヲ報道スル記事
  3. 公開セル裁判所、議会並政談集会ニ於テ為シタル演述

この著作物はアメリカ合衆国外で最初に発行され(かつ、その後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず)、かつ、1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行されたか1978年より後に著作権表示なしに発行され、かつ、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(日本国を含むほとんどの国では1996年1月1日)に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。