韓国政府の要求に対する1951年5月9日付米国側検討意見書
条約草案に関する韓国覚書への合衆国意見書
(番号は覚書の余白に筆記されたものに対応する)
1. 韓国は明確に連合国に指定されるべき
5月3日草案の前文の潜在的な署名のリストに韓国を含めるように決定された場合、韓国の連合国としての地位はもちろん明らかにされます。
2. ポーランドがヴェルサイユ条約でそうであったため、韓国の条約への署名は承諾されるべき
調査の結果、条約への参加を主張する韓国の論拠は、第一次大戦後のポーランドの例のようには多くの支持を得ていません。パデレフスキの下で1917年にパリで設立されたポーランド国民委員会は、全ての主要な西側連合国によって「認められ」、取引されました。それがドイツに宣戦布告したという事実を私が明らかにできなかったとしても、それがドイツと戦いポーランドを解放する目的で設立されたため、そうしたとされます。ドイツが降伏したとき、国民委員会と、ワルシャワの中央同盟国によって設置されていた摂政会議は合同してポーランド臨時政府を設立し、ヴェルサイユ会議が召集される前には列国によって認識されました。ポーランドには1917年以前でさえフランスで戦う軍隊がありました。一方で、合衆国および他の主要国は、第二次大戦中に「大韓民国臨時政府」のいかなる地位の承認も慎重に控えていました。それゆえ、政府が日本に宣戦布告した、或いは殆ど長期間を朝鮮に居留した朝鮮人の部隊が中国軍隊を相手に戦ったという事実は、我々の立場では重要性を持ちません。(付属のDFT研究は、日本の条約に参加する朝鮮の権利に関係する追加情報を含んでいます。)
3. 日本の国連への加入は、韓国のものと結びつけられるべき
本項の意図は明白に、韓国のそれなしには日本の国連加入が許可されないことを確実とするものです。我々はもちろん韓国の国連への独立した加入を支持しましたが、この立場のための根拠がないように思われます。
4. 在日韓国人は連合国国民の地位を与えられるべき
700,000人の在日朝鮮人は現在、連合国国民として扱われていません。その身分は、日本国民に近似しており、実際に朝鮮出身者にはいくつかの譲歩がされています。日本政府はダレス氏宛の4月23日の覚書で、「条約により在日朝鮮住民が連合国国民の身分を取得しないことが確実に保証されるなら」韓国の条約の署名への反対に固執しないと述べた。彼らの人数、およびこれらの朝鮮人が実際には日本国の永住者ではなく、他の(朝鮮人と連合国国民の中のどこかに身分を占める18,000人余の台湾-中国人以外は)在日外国人の場合のように訪問者や半永住者であるという事実を考慮すると、朝鮮人の連合国国民の地位取得に対する日本政府の異論が正当化されるようです。日本政府には、条約締結と朝鮮の安定と再建の後で、全ての在日朝鮮人に対し日本国籍を選ぶか、朝鮮への送還に服するかを要求することが許されるべきと考えられています。朝鮮人はその後、日本の法律に従い、他の外国人と同じ身分で日本に再入国されます。
5. 対馬は韓国に「返還される」べき
韓国の対馬に関する主張は非常に薄弱です。関連要因は、この覚書の2番目の付属ファイルで説明されています。
6. 韓国は任意の太平洋の安全機構に含まれるべき
これは他の大陸諸国の場合と同様、もちろん最終的には望ましいものですが、現時点で何らの確約はできません。
7. 韓国と日本の間の「マッカーサー(漁業)ライン」は条約で保護されるべき
日本の漁民を「マッカーサー・ライン」の韓国寄りの漁場から永久に排除すべきであるという立場は我々の西海岸の漁民の要求の限度を超えたものであり、実際にははるかに日本の漁業にとって深刻でしょう。その直接の影響、さらにはそれが設定する先例のため、韓国の要求は拒否されるべきです。韓国政府の覚書によって伝えられた印象に反して、他国に隣接する公海領域から日本の漁船を排除する日本とのいかなる相互条約を結ぶ国もありませんでした。
8. 韓国はわれわれの草案に記載されている例外にかかわらず、韓国における日本の財産の押収を認められるべき
この点について韓国の立場は正当化されます。米国・英国の5月3日草案の新しい第五条は、それを引き受けます。しかし、米国の3月草案の第十四条の我々の例外(iv)(その覚書の6頁の最初の段落を参照してください)を韓国政府は誤解したようです。例外は続く日本への金融資産に言及する目的でしたが、韓国政府は戦争中、とくに日本が降伏を申し出た8月9日から降伏が達成される9月2日までの間に、朝鮮から日本に持ち去られた物理的資産の差し押さえの免除のように解釈しました。
9. 韓国は日本における韓国の財産の返還に連合国と同じ権利を持つべき
これは単に誤解です。「連合国」に韓国が含まれることが意図されていました。我々は3月草案以来、この問題に再考がありました。
10. 「韓国は国際司法裁判所に提訴することを要求する」
この要求の有無を言わせぬ調子とは別に、合衆国の5月草案の第十七条では、連合国以外の当事者が裁判所で条約の紛争条項の利益を受ける権限を与えられることができる特別規定を作成しました。
11. 韓国は明確に連合国として含まれるべき
前述したように、韓国が署名者に含まれると意図され、それゆえ前文の「連合国」の定義に来るべきです。
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