鐵道震害調査書/第一編/第二章/第三節
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第三節 鶴見程ケ谷間貨物線(鶴見程ケ谷間約4.1哩)
築堤 本線路は海岸の平󠄁地を通󠄁過󠄁し,各所󠄁にて電車線國道󠄁等を乘り越え全󠄁線殆ど築堤なるを以て被害󠄂全󠄁區間に亘れり。而してその最大なるものは橫濱驛前󠄁第一第二高島町架道󠄁橋前󠄁後の沈下約10呎なりとす。
土留壁 13哩70鎖󠄁より15哩34鎖󠄁に至る區間に於ては護岸石垣は練積と空󠄁積とを問はず全󠄁部崩󠄁壞して大部分󠄁海中に沒し,又󠄂16哩73鎖󠄁附近󠄁の石垣も崩󠄁壞し,これ等被害󠄂總坪󠄁數384面坪󠄁に達󠄁せり°尙この外高島驛構內荷揚場等の護岸壁も練積空󠄁積の區別なく崩󠄁壞しその量813面坪󠄁に及べり。(寫眞第七十六乃至第七十八參照)
橋梁 橋梁の被害󠄂最も大なるは浦島第三號󠄂橋梁(徑間40呎4連,寫眞第七十九參照)にして,兩橋臺ともバラス止大破,橋臺前󠄁進󠄁傾斜󠄁し,第一號󠄂第二號󠄂及び第三號󠄂橋脚は何れも沈下傾斜󠄁せり。この外バラス止の切斷,橋臺の傾斜󠄁せるもの多し。
停車場 入江信號󠄂所󠄁に於ては本屋傾斜󠄁し,高島驛にては本屋(木造󠄁二階建󠄁)傾斜󠄁移動し壁に龜裂を生ぜしが,木造󠄁上家は倒潰燒失せり。又󠄂同驛貨物上家は海岸,陸,中繼,何れも軸部は古軌條使󠄁用の鐵骨鐵筋混凝土造󠄁にして,屋根は混凝土スラブ葺なりしが全󠄁部倒潰し,積卸場擁壁も亦沈下傾斜󠄁したり。(附圖󠄃第三十四乃至第三十六並に寫眞第八十乃至第八十五參照)
信號機 入江,千若兩信號󠄂所󠄁及び高島驛構內に於て遠󠄁方,場內及び出發信號󠄂機合計24基傾斜󠄁せり。
軌道󠄁 全󠄁線に亘り軌道󠄁は沈下移動し,殊に橫濱驛前󠄁附近󠄁高架線の如き沈下最大約10呎に及べり。