違警罪即決例

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○第三拾壹號
明治十四年九月第四拾四號布告及ヒ同年十二月第八拾號布告ヲ廢止シ違警罪即决例別紙ノ通制定ス
右奉 勅旨布告候事

明治十八年九月二十四日
太政大臣公爵三條實美
司法卿伯爵山田顯義
(別紙)
違警罪即决例

第一條 警察署長及ヒ分署長又ハ其代理タル官吏ハ其管轄地内ニ於テ犯シタル違警罪ヲ即决スヘシ但私訴ハ此限ニ在ラス
第二條 即决ハ裁判ノ正式ヲ用ヒス被告人ノ陳述ヲ聽キ證憑ヲ取調ヘ直チニ其言渡ヲ爲スヘシ 又被告人ヲ呼出スコトナク若クハ呼出シタリト雖モ出廷セサル時ハ直チニ其言渡書ヲ本人又ハ其住所ニ送達スルコトヲ得
第三條 即决ノ言渡ニ對シテハ違警罪裁判所ニ正式ノ裁判ヲ請求スルコトヲ得但正式ノ裁判ヲ經スシテ直チニ上訴ヲ爲スコトヲ得ス
第四條 即决ノ言渡書ニハ被告人ノ氏名年齡身分職業住所犯罪ノ場所年月日時罪名刑名及ヒ正式ノ裁判ヲ請求スルコトヲ得ヘキ期限並其言渡ヲ爲シタル警察署年月日警察官ノ氏名ヲ記載スヘシ
第五條 正式ノ裁判ヲ請求スル者ハ即决ノ言渡ヲ爲シタル警察署ニ申立書ヲ差出スヘシ但其期限ハ第二條第一項ノ場合ニ於テハ言渡アリタルヨリ三日内第二項ノ場合ニ於テハ言渡書ノ送達アリタルヨリ五日内トス
第六條 警察署ニ於テ前條ノ申立ヲ受ケタル時ハ二十四時内ニ訴訟ニ關スル一切ノ書類ヲ違警罪裁判所撿察官ニ送達スヘシ
第七條 第五條ニ定メタル期限内ニ正式ノ裁判ヲ請求セサル時ハ即决ノ言渡ヲ以テ確定ノモノトス
第八條 科料拘留ノ言渡ヲ爲シタル時必要ト認ムル場合ニ於テハ後ノ數條ニ定メタル處分ヲ爲スコトヲ得
第九条 科料ノ言渡ヲ爲シタル時ハ其金額ヲ假納セシムヘシ若シ納メサル者ハ一圓ヲ一日ニ折算シテ之ヲ留置ス其一圓ニ滿サル者ト雖モ仍ホ一日ニ計算ス
第十條 拘留ノ言渡ヲ爲シタル時ハ一日ヲ一圓ニ折算シ其刑期ニ相當ノ金額ヲ保證トシテ差出サシムヘシ若シ差出サヽル者ハ第五條ニ定メタル期限内之ヲ留置ス但刑期五日内ナル時ハ其日數ニ過クルコトヲ得ス
第十一條 保證金ヲ差出シタル者ハ刑ノ言渡確定シタル後直チニ出廷シテ其執行ヲ受クヘシ若シ出廷セサル時ハ保證金ヲ沒入シテ本刑ニ換フ
第十二條 留置シタル者正式ノ裁判ヲ請求シ因テ呼出状ノ送達アリタル時ハ直チニ留置ヲ解クヘシ
第十三條 留置ノ日數ハ一日ヲ一圓ニ折シテ科料ノ金額ニ算入シ又ハ拘留ノ刑期ニ算入スヘシ

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